『あなたが独りで倒れて困ること30』を読んで考えた、もしもの時の備えと生き方のヒント

日常
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はじめに:実家のこと、これからのこと

ここ2~3年の間に、身内が病気に罹ることが相次ぎました。

父が癌、母が心筋梗塞(その後に癌)、義母が帯状疱疹。そして90歳を超える祖母は元気なものの、少しずつ認知機能への心配も出てきています。

特に両親が病気になると、実家の管理や今後の相続など、リアルな現実について色々と考えてしまいます。本人たちも病気を経験したことでうっすらと終活を意識し始めたようで、少しずつ持ち物の整理などを進めているようです。

私たち「くろあり夫婦」には子供がいません。そして、これから作る予定もありません(いわゆる選択的子なし/DINKSです)。

親の終活を見聞きする中で、ふと「自分たちの最期」についても考えるようになりました。

ピンピンコロリで旅立てれば最高ですが、誰かに迷惑や負担をかけるのは避けたい…。できる限り自分の手で整理しておきたいと思っていた時に出会ったのが、この本でした。

『あなたが独りで倒れて困ること30 -1億「総おひとりさま時代」を生き抜くヒント-』(太田垣章子 著)

真っ赤な表紙に、強いインパクトのタイトルに惹かれ、思わず手に取りました。

夫婦であっても、人は結局「おひとりさま」

結婚して5年を過ぎたくろありですが、自分の結婚観は少し変わっている自覚があります。(夫の「しろさん」も納得してくれているので、我が家はこの形で心地よく運用しています)

我が家の結婚における基本ルールは以下の3つです。

  • 独立・自律した1人の人間同士が、生計を一緒にする
  • 自分の生活に必要なことは自分でやる(コスパ的に分担できる部分は手分けしてやる)
  • 家事において固定の「分担・担当」は作らない

そして、婚姻届を提出している一般的な「夫婦」ではありますが、年に1回、結婚記念日の時期には「来年も結婚契約を続けるか?」を確認することにしています。

二人とも「この結婚生活を続けたい」と思えば、「次の1年もよろしくお願いします」と無事に更新。何か思うところがあれば「要検討!」となります。(今のところ「要検討」になったことはありませんが!笑)

友人には「そんな結婚、面倒くさい!」と言われますが、くろあり夫婦にとってはこの「更新制結婚」がとてもしっくり来ています。

この本の中でも書かれていましたが、「人は誰もがおひとりさま」です。本当にその通りだなと感じます。

「結婚」していても、しろさんはしろさん、くろありはくろあり。夫婦はどこまでいっても「大切な他人」です。「おひとりさま」と「おひとりさま」が婚姻契約に基づいて一緒に生活しているだけなので、人生の最後は結局「おひとりさま」に戻るのですよね。

自分に「もしも」があった時、あれこれと対応してくれるのはきっと夫のしろさんです。だからこそ、その時の負担や心配事はできる限り減らしておきたい。

「まだ40代だし、早いのでは?」と思うかもしれませんが、いつ何が起こるかは誰にもわかりません。両親が病気になったのも突然でした。

誰もがいつかは迎える「最期の時」。どんな風に自分の人生を締めくくるのか、考えるのに早すぎることはないと感じています。

本を読んで特にハッとした2つのポイント

本書で紹介されている数々のリアルなケースの中で、特にくろありの心に深く刺さったポイントを2つご紹介します。

Point 1. 「自分の死後」の手続きは、生前に誰かに頼んでおかなければいけない

Case 7「自分が死んだ後の病院代や施設代の清算は誰がするの?」
1950年代の日本では8割の高齢者が自宅で亡くなっていましたが、今では同じ割合(約8割)の人が病院で亡くなっているそうです。

言われてみれば、くろありの祖父たち(父方・母方ともに)は病院で亡くなりました。そしてその時は、もちろん残された両親がその後の手続きや清算を行っていました。

しかし、これを自分に置き換えると……くろあり夫婦には子供がいません。

パートナーがいれば対応できるかもしれませんが、その時に二人とも健康で認知機能や対応力に問題がない保証はありません。どちらかが亡くなり、「おひとりさま」の状態で自分が亡くなった場合、一体誰が後の処理をしてくれるのでしょうか?

病院や施設の清算、埋葬の手配など、自分が死んでしまった後では誰にも頼むことができません。

「立つ鳥跡を濁さず」で最期まで自分で責任を持ち、自分の始末は自分でつけたい――。そう思うなら、生前のうちに誰かに「依頼」しておかなければいけないという事実に、この本を読んで初めて気付きました。

本書では「死後事務委任契約」という仕組みが紹介されています。「死後」の対応だけでなく、自分が亡くなったことをどう察知してもらうかも含めて、生前から死後までを包括的にカバーしてくれるサービスの検討が必要だと知りました。

綺麗な最期を迎えるために、どこかのタイミングで信頼して任せられる相談先を探しておこうと思います。

Point 2. 「引っ越しのリミットは60代前半まで」

この言葉には本当にハッとさせられました。

実家の両親は70代に入ったばかり(もうすぐ70代)で、田舎の広い家で両親と90代の祖母の3人で暮らしています。大病を経験した両親は終活を意識し始めていますが、実家はくろありが学生時代に建て替えた「元・6人家族用」の立派な二世帯住宅。広い敷地に、大きな仏間や和室と、たくさん部屋がある広い家です。

少しずつ片付けを進めてくれているようですが一向に進む気配はなく(減らしたと思ったら、新しいものを買ってしまう…これって人間の性ですよね(笑))くろありも、帰省するたびに物置部屋と化した元・自分の部屋の荷物をほんの少しずつですが、整理しています。

現在、くろあり家は賃貸暮らしですが、いつかは「終の住処(ついのすみか)」を決めなければいけません。

年をとってからの引っ越しや荷物の整理は、想像以上に大変な作業です。本書にある通り「頭がクリアなうちに終の住処をどうするか考え、時間があるうちに断捨離をして身軽になっておく」ことが重要だと痛感しました。

「スーツケース1個で引っ越しができるくらい身軽になる」…というのは言い過ぎかもしれませんが(笑)、そのくらいの軽やかさを手に入れたいものです。どうしようもない大量の重い荷物と一緒に歳をとるのは避けたいですからね。

くろありが60代前半になるまで、あと約20年。

自分でしっかりと考え、決断して動ける期間は「あとたった20年しかない」と思うと、今から少しずつでも行動を開始しなければと感じました。

今のうちから考えておきたい「4つのこと」

40代を迎えた今、本書を参考に考えると、自分がクリアな頭で判断し、思い通りに行動できるのは60歳頃までのあと20年ほどになります。

この本を読んで、今のうちから少しずつ準備・整理しておきたい課題が見えてきました。

  1. 実家問題(広すぎる実家の今後の扱い)
  2. お墓問題(代々のお墓をどう維持・墓じまいするか)
  3. 終の住処(老後どこでどう暮らすか)
  4. 死後の整理(死後事務委任契約やデジタル遺品・財産の整理)

特に「実家問題」と「お墓問題」は自分一人で決められることではないため、難易度が高そうです。両親の意向をしっかり聞きつつ、妹とも相談しながら、お互いに心配や不安を残さず綺麗に整理できるよう考えていきたいと思います。

まとめ:これからの生き方を見つめ直したいすべての人へ

『あなたが独りで倒れて困ること30』は、すべての人に一度は読んでほしい一冊です。

本書で紹介されているケースはどれもリアルで(実際の事例なので当然ですが)、「もし自分がこの立場だったら……」と具体的に想像しやすく、知らなかった制度や考え方、くろありにも訪れる可能性のあるリスクに触れることができました。

今は家族と一緒に暮らしていても、人は誰もが最終的には「おひとりさま」になります。

「老後はどこでどう暮らしたいか?」「万が一の時、どうしてほしいか?」「どんな最期を迎えたいか?」自分の人生は自分で決める。

自分の生き方、終わり方は自分で決める。理想の最期のイメージを膨らませていくと、今の自分に、これから必要な準備がぼんやりと見えてきます。

平均寿命まで生きるとしたら、くろありにはまだ40年以上の時間があります。時代が変われば、利用できるサービスや制度も変わっていくでしょう。この40年の間に、自分で何ができるのかを考える良いきっかけになりました。

本書は社会人として生活している方はもちろん、特に50~60代前半の方や、これからの生き方を考えたい30~40代の方にとてもおすすめです。まだまだ終わりなんて見えない・感じないうちに一度読んでおくと、これからの人生の選択や行動がきっと変わってくるはずです。

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